Daikiの哲学日記

 当たり前だけど、大切なことを見落とさないように、文章を書いています。

感謝と誉め言葉との大きな違い

感謝と誉め言葉との大きな違い

 

 私たちが、他者と有益に協同していく中で、他者に協同することを励まし、互いに共有する協同関係を発達させるために、「感謝」が非常に有用であることは明白であると思うが、私は、その感謝を表す言葉が誉め言葉のように、期待されるものとなってしまったときには、無益な効果しか持たなくなることを確信する。

 その理由は、もし、他者に貢献することが、それ自体が喜びとなるわけでなく、他者から何かを得るまで喜びとならないようなものとなってしまえば、当然、他者への貢献に失望が付きまとうようになってしまい、他者への貢献に希望を持つことができなくなる、すなわち、社会的に無益な方向に進んでしまうことを助けてしまうからだ。

 例えば、他者に貢献することで、感謝を期待してしまう人は、しばしば、他者から感謝をされなくとも、有益であるはずの他者への、社会への貢献を、他者から感謝をもらえないということに焦点を当ててやめてしまう。

 このように、私たちが、私たちの他者への貢献に対してではなく、他者からの私たちへの貢献にフォーカスをし、感謝することは大切であるが、その感謝の内実が、他者にとって、誉め言葉と同じようなものにならないようにすることに注意する必要がある。

 

 

読んでくれて、ありがとう。