Daikiの哲学日記

 当たり前だけど、大切なことを見落とさないように、文章を書いています。

試験のために勉強するのはもうやめよう

  「試験のために勉強する」

 

 このような動機は試験をパスすることが何か有益な目標につながり、その場合に学問の理解などは必要がないならば、全く問題がないと思うが、学問を理解したい人が、試験をパスすることをモチベーションとして勉強することはあまりに実りないものになると思う。

 その理由は、学問の発展の仕方にある。様々な学問の礎を築き上げてきた私たちの先達は決して初めから実用を目指して研究をしてきたとは思えない。例えば、歴史学や数学、物理学などははじめは単純な好奇心から始まり、それに従って研究されてきたはずである。なぜなら、それ以上に実用的な物事はいくらでもあるからだ。もちろん、医学や工学などは実用を目指して研究されてきたものかもしれないが、やはり、そこには未知の事柄への好奇心、すぐに実用に結びつかなくとも努力を継続させるに足る好奇心があったはずである。

 そして、私たちが彼らの仕事を本当に理解したいならば、彼らの思考を追体験する必要があるとともに、その追体験には彼らと同等以上の好奇心が伴わなければ意味がない。なぜなら、彼らに発想の飛躍にはそのような精神が横たわっているからである。

 

 このように、私たちが本当に学問を理解したいならば、試験も勉強計画も、成績も頭から捨て去らなければならない。そこには重要なことはひとつもない。重要なのは、先達の業績に横たわる不屈の好奇心に尊敬の念を抱き、それを身につけることである。そうすれば、好奇心を持たずに、成績や名誉を求めて、勉強計画を立てていたときには決して見ることができない先達の景色を見ることが出来る。

 

読んでくれてありがとう。